東邦大学理学部情報科学科では、梅沢由香里女流棋聖(日本棋院)を客員教授(2007年4月1日〜2008年3月31日)として迎え入れることに決まりました。
本学情報科学科の数理知能科学コースでは、囲碁を取り入れた授業計画を考えております。数学や計算機プログラミングでは頭の中で様々な思考実験を繰り返し問題解決することが重要ですが、囲碁を学ぶことはその鍛錬の1つになると考えています。また、囲碁そのものも情報科学の研究対象として非常に魅力的な題材です。チェスや将棋ではプロと対等に戦えるソフトが開発されつつありますが、囲碁のソフトはまだまだその域に到達していません。囲碁の盤面での膨大な組み合わせの中から最適な戦略を見つけ出す過程を解明することは、人工知能の側面からも情報科学が取り組んでいる様々な問題を解く手がかりを与えてくれるものと考えております。
梅沢女流棋聖には、上に述べたような観点から、教育・研究両面に渡る様々な場面での助言を期待しております。実際に授業の一部を受け持って戴き、研究指導にも当たって戴く予定です。近年いわゆる理系離れが日本の将来に大きな陰を落としつつあります。情報分野では数理的な思考に長けた有能な人材を求めておりますが、初等中等教育では緻密な思考訓練を行なう機会が大幅に減ってきています。また、インターネット社会で、安易に入手できる刺激的な情報を見聞きするだけで満足する風潮が高まりつつあります。東邦大学理学部では様々な機会を捉えて、中高生や一般の方を集めた講座を開設して科学の根本にある理学に目を向けるような努力をしております。梅沢女流棋聖にはこのような講座での活躍も期待しております。
本件の関連記事は、毎日新聞(3/27夕刊)や朝日新聞(3/28朝刊)に掲載されています。